「さよなら、僕のマンハッタン」
これはまたいい映画。アマゾンいいところに金出してるな。数打ちゃ当たるわけでもないだろうから、見る目のある人間がやっているのだろう。邦題はもうちょっとならなかったか。
ちなみに原題は "The Only Living Boy in New York"。曲の題名とかぶるのだろうか。
幼い恋と大人の恋が同時進行で進み、そこに親子関係が絡んでくるのだが、取って付けた感じはなく、味わい深い作品になっている。
途中、何かと世話をやきにくる、裏のありそうな隣人の親父が、「いいぞ、複雑さが増してきた」と言うのだが、そのときは何気なく聞き流していたこの言葉が、後半から終盤にかけて見事に効いてくる。
確かに、登場人物の関係は複雑なのだが、最後まで全容は見せずに、種明かし的に語られるおかげで、結構感動する。小出しで見せていたら、厭らしくなっていたところだった。
で、その種明かしで、この親父がほんの短い間、男泣きするのだが、それが最高にいい。男の泣き方ってこうでないとな。
連休中のラインアップはちょっと枯れてる風だけれど、その中で光る作品でした。