「タクシー運転手 約束は海を越えて」
光州事件というのは確か日本でも随分報道されていたと思う。私はまだ未成年だったし、あまり記憶はないけれど、軍隊が民間人を銃撃したり暴行している映像は見たような気もする。
このお話は、その事件のさなかに、取材活動で現地の様子を伝えたドイツ人記者を手掛かりにして、普通の人たちがどう事件に関わったかを描いている。
韓国は民主主義を自分たちの手で掴んだと言われるのが伊達ではないことがわかる。とはいえ、光州事件とそれに連なる暴動は全羅南道一帯の話で、韓国の北半分はどう関わったのか、ここでは触れられていない。実際、これを契機に国内の南北対立は深まったとも言われているようだ。
いずれにせよ、こういう事件を克服して、韓国という国の今があるのだということを知ることができる作品。