「あなたの旅立ち、綴ります」
自由な空気がいい。
実は、自由という言葉は作中には一切出てこない。けれどもこの映画の中心にはそれがある。
かなりハチャメチャな展開なのだが、見終わってから、心に残る言葉を拾っていくと、自由を実践するキーワードが浮かび上がってくる。
「良い一日ではなく、本物の一日を」
「大失敗しなさい」
「才能は必要」
などなど
この作品の原題は "THE LAST WORD" 。死にかけの年寄が若者に贈る最後の言葉、というような意味合いだ。けれども、どれがその言葉なのか、作中で見つけようとしてもうまくいかない。作り手はたぶん、わざとそうしている。観客が自分でそれを見つけるように。
最期の弔辞とエピローグが、その答えだ。単純な言葉に置き換えず、行動で示すところがニクい。
わりといい映画なのに、邦題は・・あいかわらずでがっかり。
かといって、いい題がすぐ思い浮かぶわけでもないのだけど。