「シェイプ・オブ・ウォーター」
ギレルモ・デル・トロは異形を描く作家だ。
人間の世界と異形の世界との間に明確な境界を設けず、重ね合わせながら、人間世界の中の異形と、異形の世界のなかの人間性を描き出す。
そうすることで、本来人に備わっている二面性を浮かび上がらせる。
パンズ・ラビリンスでは、スペイン内戦の非人間性と、そこから逃れようとする人間性の儚さを、悲劇の形で描いた。
その彼が、本作ではロマンスを取り上げて、冷戦の非人間性を背景にしながら、ロマンスを「謡い上げている」。そういうと大袈裟なようだけれど、この作品の温かな感じは、パンズ・ラビリンスのときの哀しく冷たい感じとは違う。
主人公が結局、人間世界の非情や不条理の中に留まることができなかった点では同じなのだが、しかし、本作の結末は、パンズ~と違って温かい。彼はこの作品で、ひょっとすると、死を乗り越えたのかもしれない。
そしてそれは、想いはあっても声を持たない大多数の平凡な人々を力づけ励ますものであるかもしれない。
劇的ではないけれど、じんわりと良い具合です。
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