「羊の木」
いがらしみきおと山上たつひこによる原作漫画があるそうな。だからなのかどうか、設定、展開、オチ、全てが漫画的なものを感じさせる。
普通の映画というものとどこが違うかというと、層の積み重ねがなく、取っ散らかっている印象がある。朝のテレビドラマや週刊連載の漫画のようなというか。大きな流れというものがない。まあ、それはいい悪いではなくて、そういう表現形式だということなのだろうけれど。
お話はよくも悪くもない。刑務所で服役中の人が一体何人いるのかしらないけれど、それが過疎の解消に役立つボリュームとも思えないが、まあ、漫画だしということでいいんだろう。
たぶん、この映画に価値があるとすれば、犯罪者という区分に入ってしまった人にも、いろいろいるということをじっくり描いている点だろうか。羊の木の絵柄の蓋だか皿だかに、羊が5匹しか描かれていないのは、登場する元犯罪者6名のうち、5名くらいはまあ更生できるけれど、1人くらいは救えないケースもあると言いたげだ。
まあ、仕方がないよね。環境が激変したら、ひょっとするとその1人が次の人類の始祖になるかもしれないのだし。
てなことを、映画とは関係なく思いました。
幸いというべきか、サイコパスとも服役囚ともこれまで縁がなかったので、感想も表面的になります。