「嘘八百」
東京のたこ焼きと大阪のそれとの違いは、たぶんダシにある。大阪のは隠し味があるのだ。
笑いもそうなんじゃないかと時々思うことがある。笑いの中に味わいがあるかどうか。どんな味を添えて、どう盛り付けるか。その巧拙が問われる。とわかった風なことを言う。
本作は、その視点で見ると、なかなかいい出来だ。笑いをまんべんなくまぶしながら、物語に骨があって筋が通っている。最後の締め方もいい。
中年から年配者は思わずにやりとするところがたくさんあるだろう。
若者絡みの部分はわざと質を落として、青臭さの演出も抜かりない。
初笑いに好適な一本でした。
こういうの見ると、邦画もいいよなあと思う。
もちろん、東京には東京の良さがあるとは思うけど、味わいではいつも歴史の深い西の方に一日の長があるかなあと思います。