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2018.01.02

「アランフエスの麗しき日々」

正月にとっておいた、ヴィム・ヴェンダースの小品。
しかし小品というのはあくまで、製作費とか宣伝の派手さとかを基準にした言葉。観てみるとずっしり見ごたえがあってすごい。

原作があるそうなのだけど、それを差し引いてみても、作品を作るときに考えていることをさらけ出したように見える。画家がスケッチブックやアトリエを人に見せるような感じというか。

だから、映像的な技巧は最小限で、ほとんど台詞と少しのカメラワークだけによる構成。

ヴェンダースの作品はここからはじまって、これに肉付けしていって出来上がるもの、とでもいうような原初のかたち。

ヒトの神性について語る場面もあれば、ロマンスと愛憎を吐露するパートもあり。はじめは女の視点から、ところどころ男の視点から、それぞれの述懐があり。楽園追放のような、あるいは青い鳥のような回帰への願望があり。

最後は、あれは何を意味しているのだろう。少しだけ、現代社会がそれとなく目指し始めてしまった不気味な未来を示唆しているのだろうか。

「あるいは最後の夏かもしれない」


ともあれ、エラいもの見てしまった。

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