「グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル」
この人ほど「鮮烈」という言葉が似合う人はいない。
情熱と才能を兼ね備えた、稀に見る人間。
ファッションアイコンのように見る見方もあるし、実際、このポートレートでは彼の作品のファッショナブルな側面にも光を当てているが、それを裏切るかのように(笑)インタビューの中で彼は常に「物語」について話している。語られるべきことがあり、それを表現するためにファッションも含めた映画技術の全てがある。それが彼の思想だ。このポートレートは、そんな彼の在りようを正しく映し出している。もっとも、このポートレート自体が、彼の企画立案だとしてもちっとも驚かないけれど。
憶測でしかないが、彼のこの表現に対する情熱は、彼が晒されている圧力への反発に由来しているのかもしれない。強い自己肯定は、彼が生き続けるために必須のものに見える。
次回作も楽しみです。