「探偵はBARにいる3」
もうね。
泣かせるの上手いわ相変わらず。
薄幸の女は泣かせの定番とわかっていても泣いちゃう。
「どうしてそういうやり方しかできないんだよ!」
っていう台詞が最高です。
そういう生き方しかできない不器用さ、不条理に我々は涙するのです。これはシリーズを通しての隠れた主題だと思うけど、今回はっきり台詞として出てきました。
本当はそれと対になっているはずの、
「だってこうしかできなかったのよ!」
は、いつ明示されるのでしょうか。幸薄い女たちは決してそれを口にせず、ただ眼差しだけがそれを語っているところが、より一層哀れを誘います。
思えば、1は最高に劇的に泣けて、2はちょっとドタバタ感が強すぎたけど、3でまた良くなった。この調子で続けてほしい。
ところで、このシリーズのいいところは、そういう泣かせを核にしながらも、笑いやずっこけがあって上げ下げしてくれるところなんですよねー。エンタテイメントの鑑です。
そして泣かせるにもちゃんと手順を踏んでくれる。同じような要素を盛り込んでも、見せる順番を誤れば微妙な感じになってしまうところ、きっちり筋の通った順序で、丁寧に展開してくれる。上手いなあ。これは原作の上手さなんだろうけど、それを映画でも過たずに見せてくれるのは作り手の手腕なんでしょうね。
こういうのを見ると、邦画だって決して捨てたものじゃないと思えます。充実したプレミアムフライデーをありがとうと言いたい。
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