「ローガン・ラッキー」
フリーパス発動で手あたり次第に見るわけです。さすがにこれははずれだろうと思って見てみたら、案外そうでもなかった。
なんだか杜撰そうに見えた現金強奪計画だが、計画の進行につれて明らかになってくる周到な目配りが、ストーリーの伏線回収の形で次々に明かされてくる、その痛快感がいい。
必須メンバーである爆弾野郎を脱獄させて元に戻すプロセスの精工さといったら!監獄の所長の気質と出方まで読んでいるのだ。
これに、主犯格の兄弟それぞれのアリバイ作りに絡めた、カントリーロード的な暮らしへの賛歌などあって、グッときます。
痛快といっても、必ずしも計画どおりに進まないドタバタもあって、そのちょっと間抜けな感じがまたよい。
そして数ある仕掛けの中でも最後で最大のもの、保険会社を使った被害者の被害帳消しの手法が鮮やか。FBIもこれにはお手上げです。徹底的に勝ちにいって骨の髄までしゃぶった挙句敵を本気にさせてしまうような愚劣さの代わりに、鷹揚で大人なバランス感覚があります。
田舎暮らしの冴えない労働者が、エスタブリッシュに一泡吹かせるも、やり過ぎずにコトを収めて、平穏で余裕のある理想的な暮らしを手に入れます。ローガンズカーストがローガンラッキーに変わる夢物語。ナイスです。
で、最後のヒラリースワンクがやばいだろう。これはラッキーが剥がれ落ちて再びカーストに逆戻り必至かw