「ゴッホ 最期の手紙」
こ、この二次元クレイアニメとでも言うべき手法は一体・・・
誰ですかねこんなこと思いついたのは。
見慣れない手法なので、スクリーンに集中していると、なぜか途中睡魔が襲ってきました。眩暈のようなものだったのかもしれませんが。
慣れてくると、だんだんストーリーを読み取れるようになってきて、最後は割と感動ものです。ゴッホに対する印象がずいぶん変わりました。
ティーンの頃は、芸術家の中ではこの人とミケランジェロは間違いなく天才だろうと思っていたけれど、ミケはともかくゴッホの方は、狂的なところが目についていただけだったように記憶しています。
この作品も、始めのうちこそ狂的な部分を取り上げているのですが、次第に彼の、常識的で人間的な部分をクローズアップしていって、なぜ彼が唐突とも思える死を選んだかを解き明かします。一直線ではない構成で飽きさせません。
物語はすべて、ゴッホの作品群のレプリカ、それも動く!で構成されているのですが、要所ではまさに、映画の作り手が言いたいことにふさわしい絵が使われていて、たいへん効果的です。
映画の手法なんて出尽くしているのかと思いましたが、あるものなんですねえ、まだ新しい試みが。
美術史の中で、ゴッホの死がどう読み取られているのかは知りませんが、この映画による解釈はとても心に残ります。
いい作品がまたひとつ。