「火花」
芥川賞を獲った原作は読んでいないけど、これはいい話。
何かを目指して懸命に努力し、けれども到達できずに転身した大多数の我々凡人に、その経てきた時間の価値と生き続ける意味とを教えてくれる。
正直なところ、成功譚は娯楽としては面白いのだけど、本当に世の中に必要なのは、むしろこうした話だろう。
さすが芥川賞だけのことはある。
しかも、映画興行的には不振のどん底で、世の中ままならないという本作の基底にある理不尽をしっかりなぞっています。
たとえ興行的にはふるわなくても、本作がなかったら他の作品はきっともっとつまらなかったんや。だから、ただの一本も、無駄になんかなってない。
という作中の至言を、そのまま贈りたいと思います。
そうそう、少し壊れた感じのある神谷の目つきを演じていた桐谷健太という俳優さん、よかったです。ああいうの難しいと思うんですよね。その壊れた目つきを維持するのが。
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