「ブレードランナー ファイナルカット版」
やっぱり死すべき定めを描いた作品はよいですな。
実はTVでちょっと見ただけで劇場では見ていなかったのですが、2049公開に先立って、前作のファイナルカット版の爆音上映会というのがあったので、予習してきました。
昔の映画なので、メカなどはレトロフューチャーですが、それ以外は、今の作品群とそれほど見劣りしない。むしろ少ない台詞で情景を描けていてよいです。
反逆レプリカントのリーダー、ロイ・バッティが、最後の死闘でなぜデッカードを生かしたか。彼は余裕で弱き人間の刑事をひねりつぶせたはずです。自分の命が終わるのがわかっていたのだから、せめて道連れにと思ってもおかしくはなかった。それがなぜ。
たぶん彼は、伝えて欲しかったのではないでしょうか。自分が見てきた壮大な宇宙の営みを。それに比べて悲しいほど小さく短い奴隷としてのレプリカントの生を。
語り継がれることで、短い自分の命が、永遠の物語として残ることを望んだのではないか。そんな風に思えました。
胸打たれます。
いやーよいですな。