「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
世界のMにはそんな歴史があったのか。知らなかった。
一旗あげたい中産階級がたくさん居て、優位性のある店舗運営のコンセプトがあって、それを結び付ける起業家と資金の出し手が居て、という、フランチャイズ展開のお手本のようなお話。
フランチャイズというものは、多店舗展開のスピードを上げリスクを分散するために、資金を持っているオーナーを募集して店舗を立ち上げるのだと思っていた。
このお話の中では、その逆を行って、開店資金(土地代)のリスクは本部が負担し、オーナーは一種の店子となる。本部が大きなリスクをとって、大きく儲ける形。
そういうと、なんだ普通じゃないかと思うかもしれないが、そういう発想が一般的ではなかった時代に、住処を抵当に入れてでもやり始めたのは、やっぱり大したことだ。
そのハブになっている男の素行にいろいろ問題があるという話も、ここではある種の彩に見えてくる。だいたいそういう人はそういうものだし。
見るべきは、彼のブランド形成における感覚の良さ、コンセプトを貫き通そうとする執念、そういったものだろう。
世の中全体が伸び盛りだった頃の、夢のあるお話でした。
きっと新興国は今まさにこういう感じなんだろうな。