「ハート・ストーン」
これはちょっと難しかった。そして退屈。
そもそも接点がないから、共感しようにも手掛かりがない。
たぶん、題名は、石のようになった心というような含意があるのだろう。冒頭で、子供たちが自分の力で得た大漁は、親からは顧みられずに、あっさりうち捨てられる。余計なことはせずに、昨日と同じを繰り返すのが生きる道といった頑迷で保守的な田舎暮らしを予感させる。
釣ったばかりの魚を持ち込まれても捌けないかというと、そういうわけでもないのだ。実際、ある家庭では、夕食のために台所で鶏の羽を毟っているシーンなども入っている。
子供の暮らしぶりもよくわからない、学校は全く出てこないし、大人の仕事の手伝いをしているようにも見えない。アイスランドでは、子供は案外暇なんだろうか。
ともあれ、保守的で退屈な田舎の村が舞台であるということだけは十分過ぎるほど表現されているから、そういう環境で、同性愛者であるかもしれない少年が生きるのはなかなか辛かろうという程度の理解で、おしまいにしたい。