「嘆きの王冠」5-7
前半4本は百年戦争末期で、これはこれで面白かったが、続いて後半3本は、薔薇戦争。プランタジネット朝という王朝の内乱で、30年という時間を凝縮して見せていて、前半と比べても一層面白かった。
ヘンリー6世がなんだか気弱そうで、これで面白くなるんだろうかと心配したけど、杞憂でした。王様が弱々しいと臣下や家族の陰謀と野心が頭をもたげて、それはそれは面白い絵巻になることがわかりました。(笑)
仕上げはリチャード3世。もうね。毒蛇。彼がこの、裏切りと欺瞞で彩られた内乱の時代を集約しているかのようです。
もちろん、正統な歴史の中では、また違った評価があるのだろうけれど、お話としてはこの方がいろいろ面白い。
ベネディクト・カンバーバッチもなかなかいい味だったけど、どうだろう。表情はうまいけれど、せむしの姿を演じるには、少し元が整い過ぎていたかもしれない。実は、不具者の演技では、シャイア・ラブーフが目に焼き付いているので、どうしてもそれに比べると見劣りはする。
まあ、単に醜いだけでは、それほど味方は集まらないだろうから、妙に人たらしなところはあったのだろうと想像するくらい。
結構な大人買いになってしまったけれど、BBC制作というから、英国人はこれを無料で見ているのかなあ。羨ましい。まあ、日本にもNHK大河ドラマっていうのがあるから、そういうものかな。