「午後8時の訪問者」
あっさりしているけど、いい作品。
サスペンスなどと大袈裟に言うよりは、町医者ジェニーの事件簿くらいに言いたくなる仕上がり。
主人公を医者にしたのは成功だ。彼女は事件に関わりのある人々の体調を診ながら、その嘘と誠を聞き分ける。相手の痛みや感情に巻き込まれ過ぎないように注意しながら、しかし癒し手としての医者の本分も忘れない。
そういうキャラクタが事件の謎を追う、という設定は、官憲が仕事をするのとは違う視点をもたらしてくれる。
直接の患者でなくても、町医者に対して一般人は普通、多少の尊敬の念を抱いているし、あまり酷いことはしない。病気や怪我は誰でもするし、そのとき真っ先に頼る相手なのだから。加えて職業上の守秘義務もある。
普通の探偵とは違う、そういう主人公の特徴を生かした一本でした。
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