「ノー・エスケープ 自由への国境」
不法移民側の視点から見た作品。阻止する側の視点は少ない。
米墨国境の砂漠を突っ切って米国に入る移民たちを、一人の米国人が銃で次々、狩りをするように撃ち殺していく。必死で逃げる主人公が、追い詰められた末の叫びが、"ARE YOU A MAN ?"
これを日本語字幕は「助けてくれ!」と訳しているが、とんでもない。ここは「おまえそれでも人間か?!」だろう。
狙撃銃を手にピックアップトラックと犬を使って、武器を持たない徒歩の移民たちを次々に殺していく側に、同情の余地はあまりない。
さすがに、獰猛な犬に噛み殺された移民の前では、帽子を脱いでいっとき黙祷したりはしている。また、この狩る側の男は妙に虚無的だ。愛国とか国益とかの臭いもなく、政治的な言い訳は、無い。
彼には彼なりに、移民が自分の静かな領域を冒す許しがたいやつらに見えるのかもしれない。
幸いにも、そういう二律背反の深刻な問題に直面したことがないので、何というべきかわからない。
生まれ育った土地が暴力と麻薬に染まる中、仕事も安全も自由もある隣国へ逃げ出したい移民の、苦難のスタートを描いた、印象的な作品。
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