「グレートウォール」
わりといいエンタメ映画。
中国らしい壮大というか大袈裟な演出が、滑稽にならず、うまくエンタメになっている感じ。十分に金をかけて、安っぽく見えないようにしている。その点で、中身はハリウッド95%くらい。邦画でこういう色合いの映画はあったかな・・・
お話はシンプルな定番でしっかりしている。
中国が世界の最先端だった時代設定ということにして、当時の超兵器である黒色火薬を巡って、貪欲で猜疑心が強く自己中心的な西洋人に対して、信頼や公益を説く東洋人の姿を、かっこよく描いている。
なかなかいいじゃない。アメリカ人は気に入らないかもしれないけどw。
ちょっと面白いのは、霧で視界ゼロの戦場で、数撃ちゃ当たる式の絨毯爆撃を、司令官が当然のように指示して即実行しているあたり。こういうところを見ると物量中国に萌えます。最近米国はあんまり物量に物言わせるイメージがないのでw
饕餮の造形もいい。もっさりしたイメージでカオティックな姿だと思っていたけど、こういう素早い恐竜みたいなのでもいいだろう。そこはまあファンタジーなんだし。
わるくない出来だと思うけれど、一方ですぐ忘れそうな感じではある。女優さんの演技がまだ化粧品の広告みたいだし。ジン・ティエンていうのか。キング・コングでは、おまけみたいな出され方で気の毒だったけど、ここでは堂々の主役。でもなんだか動きのない演技。
そしてマット・デーモンだし。いや、好きだけど。
米国で興行的に振るわなかった理由をいろいろ空想してみると楽しい。