「モアナと伝説の海」
はずれが少ないディズニーアニメに、また1枚、新しい層が積みあがりました。海と褐色の肌の人たちが主役なところも好感度高い。
何といっても海の解放感や水の煌めきが画面から溢れ出してくるようで、絵を見せるという点でたいへんな優れものです。
お話も、神話風にしながらノリの軽い半神半人の活躍を出してきて、テンポがよい。
火山の力が島々を作り、その後、植物の力で緑化が進んで出来た楽園の成り立ちが、神話として組み込まれていて自然な感じ。
その自然の恵みに頼り切って生活している人々の中から、自立を願うヒトの思いを浮かび上がらせて、いわば楽園追放ならぬ楽園脱出を、一人の少女に託します。もちろん半神半人とのチームワークで。
決め手は、正しい洞察と勇気。宝の石を嵌め込む場所の発見と、それを実行する勇気とが、この逞しい少女、つまりヒトの力です。
とまあそういう具合。
ディズニーの作品作りのコンセプトは、いつも揺るぎない確かさがあって、安心できる。割と誰にでもお薦めできる良作。