「人生フルーツ」
これ正月から超満員。
映画もいい出来で大満足。
製作者の話も面白く聞けて言うこと無し。
東海テレビいいじゃない。
と、速報だけ流しておいて、
落ち着いてコーヒー飲みながら短い感想を。
このご夫婦は、何十年もこれを実践しているという点で凄い。
私は庭付き戸建ての庭木の手入れや家の掃除に音を上げて、集合住宅に移り住んだクチなので、これの凄さは身に染みてわかる。
一方、凄いということは、他人にはなかなか真似が難しいということでもある。ここに描かれている生活は、点景としては成立するけれど、ほとんどの都市住民にとっては無理な話。雑木林を持った300坪の敷地、住人はリタイアしたエリートでそこそこの年金暮らし、というだけで、無理がはっきり見えるだろう。
それは、彼らが住まう住宅団地が、理想の計画とはおよそ異なる形になっていった点を見ても明らかだ。経済条件は無視できない大前提であって、いち建築家がどうあがいても簡単には解決しない。都市計画家のように全体を俯瞰する立場であっても、それは無理だろう。与条件は割とはっきり決まっていて、ここで仮に理想を実現できたとしても、その歪が別の地区での開発にしわ寄せされるだけのことなのだ。
ひとつの救いは、これから人口の激減が始まる、というくらいだろうか。それをどう「乗り切る」ではなくて、どう「活用」できるかが、次の世代の悩みどころ、ということになる。
悩みがあるっていいことだ。
解決のために頭と手足を目一杯使うことこそ、この映画が描く理想の生き方なのだから。