「ハイ・ライズ」
J・G・バラードの原作小説はすごく面白いらしい。映画としては・・ちょっとどうでしょうか。
まあ、言いたいことは伝わります。世の中の階層化が行き過ぎて、層間コミュニケーションがなくなった結果、階級間闘争が激しくなって、インフラとしての社会が壊れてしまい、どの階級も非文明化していくというディストピア。
バベルの塔の物語でしょうか。
しかし、そんな退行の過程にも、人間という生き物は適応していってしまうのが恐ろしいというか。逞しいと言うべきなのか。案外、その流れのただ中に居ると、自分が退行しているとは思わないのかもしれない。くわばらくわばら。
知性を備えて社会性もあるはずのインテリ主人公が、その退行振りを、なんの不自然さもなく表していて、そこは見ものでした。「アヴェンジャーズ」でロキを演じていたトム・ヒドルストンがクール。
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