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July 2016

2016.07.23

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」

原題は、"While we're young"。2014年の作品。
原題の示すところが、この作品の意図ではあるのだろうけれど、ちょっとそれを掴み損ねた。

誤解を生みやすい邦題と、4人のキャストの組み合わせから、違う内容を想像して行ったので、先入観を修正するのにエネルギーを使ってしまった。

たしかに、若者の傍若無人ぶりや自己愛とかは、どんな時代でも共通してあるのだろう。昔、同じように若者だった中年夫婦からそれを見れば、自由と熱量は羨ましくもあり、しかしながら受け入れがたい価値観の違いはあるだろう。「矩を踰えず」の制約を感じる年齢になったか否かの違い。


映画作りの上手い下手でいえば、たぶん下手な印象だが、若い野心家(アダム・ドライバー)の方が、「自分が死ぬ気がしない。変かな?」というくだり、これが渋い。

若者の不遜や自己愛の中心には、それがある。
歳をとって子供ができると、死ぬのは怖くなる。
(自分が死んだらこの子を護る者がいなくなる)
そういうことが、さりげなく、下手くそに(笑)、描かれている。

歳を取ればたいがいの人が気付くことに、この中年夫婦もまた開眼するわけだが、それが微妙に苦々しく感じられたのは、作品の意図だったのだろうか。どうだろう。

ちょっと落ち着きどころを探すのに苦労するような、未完成のような、描き切れていないような、そんな不安感が残った。

配役がすばらしいだけに、やや残念。

Pic01


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2016.07.17

「インディペンデンスデイ リサージェンス」

1を見ていないのだが、前作の登場人物らしき人たちが、あちこちで活躍する。
宇宙船の巨大さを堪能するのが趣旨の娯楽映像。

まあ、言ってみればそれだけのもので、どうしても見なければという作品でもない。

ところどころ、スケール感がおかしかったり、舵が利かないといいつつ操縦していたり、変なところもある。

中国系の登場人物を、主人公に近いグループにはめ込む手法は、今後は一般化するのだろう。そういうことに慣れておくにはいい材料かもしれない。

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2016.07.10

「ブルックリン」

いわゆる上京物語。

地方の伝統的で馴染のある良さと、都会の刺激的な目新しさとが描かれる、よくある筋書だ。
その間で、主人公の揺れる気持ちを浮き上がらせている。

結局、どちらを選ぶかを主人公は決めることになるのだが、そこをセンチメンタルには描かずに、誰にでもわかるような明快さを持って鮮やかに打ち出している。それがこの作品の肝だ。

田舎の因習や、集団主義、権威主義、利権構造の象徴のような女商店主に対して、主人公がきっぱりと、強い口調で名乗るシーンは、自我の目覚めをはっきり意識させて、まるで一陣の風が澱んだ空気を吹き飛ばすように爽やかだ。

シアーシャ・ローナンは、派手な美人というわけでは決してないが、理知的で心身ともに頑健な人間をよく演じていた。今後も期待して観ていきたい。

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