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2016.06.18

「マネー・モンスター」

ちょうど、舛添東京都知事の「違法ではないが不適切」な行動が話題になっているけれど、それと同種で、もっとスケールの大きい「不適切」が、この映画のテーマ。

明るみに出たあと、違法ではないと弁明するくらいなら、はじめから堂々とやればいいと思うのだが、そうしないのは、やはり自身でもやましいところがあるからなのだろう。

この作品では、そういう事案のうんざり感と、それを告発して、しかし手段が違法だったために射殺された、ひとりの底辺の男を描いている・・はずなのだが、テーマからすれば本来脇役であるはずのTVキャスターを演じるジョージ・クルーニーの存在感があり過ぎて、そっちに引っ張られた感がある。

とはいえ、そのおかげで、どろどろしたルサンチマンではなく、正義の告発映画風になったのは、果たしてよかったのか悪かったのか。

作品の出来はよいのだが、テーマがテーマだけに、ジョージ・クルーニーの颯爽とした恰好よさが、映画を違う雰囲気のものにしたようでもある。

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