「天空の蜂」
久方ぶりの東野圭吾作品。予想通りのテイスト。
たぶん、小説の方はそれなりの仕上がりなのだろう。
この作家が取り上げる題材は、ルポルタージュのような方法が
合うような気がいつもしている。
映画にしてしまうと、どうも薄っぺらい感じがぬぐえない。
たぶん、文章なら緻密に描くだろう、ものごとの背景や心理描写が、
映画という形式の中に詰め込むには多すぎるのだ。
それとも、映画づくりの方にまだ工夫の余地があるのだろうか。
とまあ、批判的なことを先に書いたけれど、
連続テレビ小説のように、トラブルが持ち上がっては解決する波状攻撃は
かなり緊張感があってよい出来だ。
自衛隊に対する世間の見方が、3.11前後で大きく異なることや、
原発の安全神話が、逆に安全対策を阻害していることなども、
きちんと捉えて、話の背骨に据えている。
エンタメとして楽しむ分には、申し分ないのではないでしょうか。
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