「雪の轍」
長くてしんどい会話劇。
現代の都市で複雑な生き方を当然のように受け入れていると、この程度の諍いは、昼のワイドショーで見慣れている気もする。実際にはTVを見ないのでわからないが。
「深淵」という評が付いているけれど、それほど深いとも思えない。主人公は資産家の跡取り。実務能力のない夢想家。妻は世間知らずの慈善屋。庶民が笑いものにする、絵に描いたようなひとつの典型だろう。
もっとも、東京とは違う、世界のどこかでは、そうでもないのかもしれない。
よくわからない、というのが本音のところだ。