「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」
よくできたスパイアクション映画。シリーズの中でも緊張感は最高といってもいい出来。
スパイの派手なアクションがリアルなわけはないのだが、妙にリアリティを感じさせるのは、やはりCGではなくスタントを使っているからだろうか。
演出のうまさもあるだろう。たとえば、BMWが後ろ向きに激走した挙句にひっくり返って身動きできないところへ、敵のエージェントが迫ってくる場面。見ている方は、別働隊の四駆が援けにくるお約束だとわかっている。
しかし普通に接近してきたのでは、エンジン音ですぐわかるところが、突然画面の中に飛び込んできて、敵エージェントを撥ね飛ばす。もちろん実際には、ずっと遠くから気づかれるから、これは有り得ない。そこを、上手に嘘をつくのが、演出というものだ。
この作品は、そういう嘘のつき方がうまい。また、それによって快適なテンポを作り出してもいる。
適切な省略から生まれ得るリアリティという感じ。
それはそうと、この登場人物達は、ちょっとルパン三世を思い起こさせる。固い友情で結ばれた数少ない仲間。冷徹な敵とその右腕たる謎の女。主人公の好敵手。
次回作をつくるなら、この登場人物で続けていってほしい。
このメンバーで、新しいシリーズとして始まってもおかしくない。