「だれも知らない建築のはなし」
新国立競技場の件が、一気に火を噴いている昨今、この映画の冒頭に安藤忠雄をもってきて、何やら言わせているのは、とてもタイムリー。
そのキャッチーな部分とは別に、映画の本旨は、コミッショナーという役割の方に焦点を当てている。中心にいるのは、コミッショナーという活動で比類のない業績を積み上げてきた磯崎新だ。
伊東豊雄がそれを継げるのかどうか、いまのところよくわからない。批評、批判が必要だが、今の若い建築家にはそれがない、という趣旨の発言をしている一方で、そういうもの抜きで建築に取り組みたいような発言もあった。
とても印象的な言葉が、収録されている。
それらの建物は
注意を引こうともせず主張しようともしない
ただ、正しい時間に正しい光が差し込む
そういった美しさがあった
レム・クールハースの言葉だったか。
これは、とてもよく、建築の行く先を示していると思う。
それは、組織設計事務所が得意とするところでもあり、
作家性を拠り所にしてきたアトリエ系設計者達には厳しい投げ掛けではあるけれど。
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