「チャッピー」
感想書くのをすっかり忘れていた。
人工知能ロボットもの、ということだけれど、人間の子どもが、いろいろな大人の影響を受けながら育つ過程を、ロボットに投影しただけ、の作品とも見える。
違いは、意識をデジタルデータとして取り出せるらしい、という点だけ。
それは実は大変な違いであって、それがどんな破壊的な未来、あるいは劇的な進化を人類社会にもたらすか、知恵熱がでそうなほど重大なことなのだが、映画ではその点は実にテケトーに処理されている。残念でならない。むしろ、「her」の方が、その点は少し真剣に考えていたように感じられる。
まあ、そうはいっても、最後のシーンの妙にテクノでポップな感じは、この作品のちょっといいところかもしれない。
深刻に考え込まなくても、なんとかなるんじゃね?面白そうじゃね? といったスタンス。
それでヒトが滅びることになっても、まあそれはそれよ。(笑)
「第9地区」の3年後と、そのまんま一緒。
人工知能については、確かに、やってみないとわからないことが多いのだから、まずはやってみるのが吉なのかもしれない。本作は、それを援護する立場だろう。
この作品の眼目はむしろ、人が遠隔操作する無個性な破壊兵器の残忍さと、人が手塩に掛けて育てた結果、自律的な判断を行うようになったチャッピーの倫理性とを、対比させる点にありそうだ。
言いたいことは、あまりにも明らかだ。
そこを見ておけば、まあよしということで。
ちなみに、グロイシーンは大幅にカットされていたそうで。
http://namaniku.net/2015/05/30/chappie-censored/