「96時間 レクイエム」
シリーズ3作目。1,2を見ていないけれど、まあそれなりに楽しめた。
アクションとしては普通だけれど、カーチェイスなどのシーンで、数秒の短い映像を繋ぎ合わせた手法が見られる。製作費をあまりかけずに、効果を出しやすいのだろうか。
映像が連続していないので、一体どの車がどういう位置関係で、なぜそうなった、という点に少し違和感がある。でもまあ、カーチェイスという記号ですね、ということで納得。
リーアム・ニーソンは、クレバーな感じのする親父風で、いつも好感が持てる。私生活がきちんとしているからかもしれない。おしどり夫婦だったのに、5年ほど前のスキー場の事故で奥さんに先立たれるということがあったそうだ。そう聞くと、この俳優さんの、いつも少し憂いのある、懐の深い感じに、なんだか納得がいく気がする。
まあ、スコットランドの人の特徴なのかもしれないが。カソリックだしね。
本作は、そのクレバーなプロフェッショナルが、スマート(悪賢い)な金持ちの悪党をやっつけるというお話。大衆向け娯楽の基本をしっかり押さえている。
シリーズとしては、最も憎むべき悪党が、最後に生き残ってしまったので、きっと次があるだろう。今度は、娘だけでなく、孫を守るために闘う祖父になるのだ。いけいけリーアム爺。
ニーソン親父は、アクションもいいけれど、自分の記憶ではむしろ、「THE GREY 凍える太陽」とか「サード・パーソン」とか。普通に消費されない、ひと癖ある作品の方が覚えている。「シンドラーのリスト」は残念なことに未見。
クライマックスのこのシーンは、シンプルな迫力があった。逃げ去る飛行機に飛びついてしがみつくみたいなアクションが定番だが、離陸直前時速200キロでそんな馬鹿なことは現実にはない、というあたりをよく弁えた、いい選択。