1時間40分の映像体験。理屈やストーリーは不要。
漁船とは魚の屠殺場。
跳ね回る魚を次々屠り解体する。
甲板に転がるのは死んだ魚の頭。
死んだ魚と同じ目でクレーンを操る疲れ切った男。
船外の海は残骸のゴミ捨て場。
鳥たちはゴミにまみれてゴミをあさる。
次の網をおろして束の間の休息。
漁の間はずっと続くひとつながりの屠殺作業。
我々が口にする白身の魚は
この、魚と鳥と人と海の混濁のなかから切り出されてくる。
そういう感じ。
魚の姿かたちをなるべく傷つけずに食卓に載せる繊細な文化と、少し違うようでもあり、
人も魚も鳥も等価だという点で、実は共通しているようでもあり。