「ビッグ・アイズ」
娘が奈良美智だよ! というところに目が行ってしまって・・
それだけでした。
いやいや、もちろん映画としてそこそこ面白いのだけど。
キッチュをアートと呼ぶのかどうかはよくわからない。正直、アートと称するもの全体が、よくわからない。なにかに感動を覚えたり、情動を覚えることはあるから、それらを喚起するものをアートと呼べばいいのだろうか。
この作品ではむしろ、アートを生み出す個性が問題になっているらしいが、作り手ごとに作風が否応なく異なるのは当然だし、そんなに問題にすることなのかとも思う。まあ、模倣の才能というのは置いておくとして。
夫の方の、天才詐欺師にして辣腕営業マンぶりには、少し羨望を覚えるところがある。一方、妻の方の、「アートはパーソナルなもの」という見識にも頷ける。
いいコンビが組めれば、最高に幸せな夫婦になれたかもしれないのに、残念でした。妻は夫に付き従い、表にはでないもの、という風潮が普通だった時代のお話で、どちらが悪いとすっぱり言えない割り切れなさが、自分としては残る。もちろん、今の時代か見たら、夫が悪いに決まっているのだが。