「ヘラクレス」
いや、面白かったですよ。普通に。あまり話題にもならないようだけど。
カレーライスというものを飽きずに食べるでしょう。
本場風スパイシーなのはもちろん、チェーン店のチキンカツカレーだったり、欧州風チーズカレーだったり、和風出汁が効いたジャガイモほくほくの母さんカレーだったり、新宿中村屋の・・いや固有名詞は置いとくとして。
それと同じ。
基本形はマッチョなヒロイックファンタジーで、ただ毎度味付けが少しづつ違うけど、飽きずに見る。見るたびに「おーすげー」とかいって満足する。
そういう種類の作品であります。悪くない。娯楽とはそういうもの。
この作品の特徴的な味付けは、最近の流行りなのかもしれないが、神の子ヘラクレスが、実は人間の精鋭傭兵チームを率いるリーダーだという設定。彼を妬み嫌うのは、神々ではなく、人の世界の王や将軍たち。ヘラクレスの野心のなさ、民衆からの人気を恐れるあまり、姦計をもって陥れようとするのだ。
悪人てほんとにバカだなあと思うのは、捕えたヘラクレスの前に素顔を晒して勝利宣言するあたり。自分で表に出ずに、さっさと手下にとどめを刺させておけば、あっさりカタがつくのに、つまらない隙を見せて、英雄の激怒パワーを引き出してしまう。
あとはもう、「お前の血は何色だーっ」てな具合でカタルシス。素晴らしい。素晴らしいよ定型。
ドゥエイン・ジョンソン、さすがに本職だっただけあって、自然な闘士ぶり。馬上の剣士を迎え撃つシーンで、交錯した瞬間の身のこなしなど、ハッとする。避けるだけなのだが、最小限の動きでキレがあって。たぶん本人がやっていると思うけど。
それに加えて、凶戦士というより頼れるリーダー風なのがいい。顔つきが基本的に優しいのを生かしている。
次もいい作品があるとよいですね。
予告編でチラリと見られるオホッなシーンなどは出てこない。他にもカットされているシーンがありそう。
日本向け、あるいは家族向けに編集されているのだろうか。少し残念。
案外そういうゲスいところで、娯楽作品の人気は決まったりしそうだけど。
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