« 「天才スピヴェット」 | Main | 「ゴーン・ガール」 »

2014.11.30

「西遊記 はじまりのはじまり」

チャウ・シンチー監督作品ということで、少林サッカーのような感じを期待したのだが、少し期待し過ぎた。

少林サッカーが面白い理由は、サッカーという日常に、ありえねー要素を持ち込むことで、奇想天外な可笑しさを作り出したからだ。そこに、ちょっぴりロマンスやドラマを薬味に添えて、いい塩梅の作品になったのだった。

ところが、この「西遊記 はじまりのはじまり」は、初めから、妖怪が普通にいることが前提だ。ありえねーものが、ありえるお約束になってしまっている。そういう枠組みの中で、ありえねー感を出すのは難しいし、可笑しみにまで昇華するのはほとんど無理筋だ。ありえねー、という宣伝は、その意味でミスリードだった。

最初から、B級妖怪映画として見ればよかったのだ。いまさら言ってもアレだけど。
個々のシーンはまあ悪くはない出来だが、全体の散漫な感じは残念。

妄想だけど、ひょっとして、ご多聞に漏れず、あの国特有の政治的な横やりが入って、やりたい表現ができなかったのだろうか。この監督はもっと上手いし、社会風刺にキレがあるはずだと思うので、次作に期待したい。政治体制があのままだと難しいのかな。


Pic10


|

« 「天才スピヴェット」 | Main | 「ゴーン・ガール」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事