« October 2014 | Main | December 2014 »

November 2014

2014.11.30

「西遊記 はじまりのはじまり」

チャウ・シンチー監督作品ということで、少林サッカーのような感じを期待したのだが、少し期待し過ぎた。

少林サッカーが面白い理由は、サッカーという日常に、ありえねー要素を持ち込むことで、奇想天外な可笑しさを作り出したからだ。そこに、ちょっぴりロマンスやドラマを薬味に添えて、いい塩梅の作品になったのだった。

ところが、この「西遊記 はじまりのはじまり」は、初めから、妖怪が普通にいることが前提だ。ありえねーものが、ありえるお約束になってしまっている。そういう枠組みの中で、ありえねー感を出すのは難しいし、可笑しみにまで昇華するのはほとんど無理筋だ。ありえねー、という宣伝は、その意味でミスリードだった。

最初から、B級妖怪映画として見ればよかったのだ。いまさら言ってもアレだけど。
個々のシーンはまあ悪くはない出来だが、全体の散漫な感じは残念。

妄想だけど、ひょっとして、ご多聞に漏れず、あの国特有の政治的な横やりが入って、やりたい表現ができなかったのだろうか。この監督はもっと上手いし、社会風刺にキレがあるはずだと思うので、次作に期待したい。政治体制があのままだと難しいのかな。


Pic10


|

2014.11.22

「天才スピヴェット」

天才級の小学校6年生が、普通の子供と同じような悩みに直面しながら、普通ではないアウトプットを世に出していく過程のお話。発明品に対して与えられる権威ある賞を受賞し、博物館での受賞スピーチをするために、一人で大陸を横断する旅に出る。ロードムービーというか、そういう形式。

様々な出会いを通して、世間というものを知るというのが、この形式の基本。この作品の場合も、かなり類型化された人々が登場する。そのキャラクタの描き方が写しだす、作り手の世界観を楽しむのが本筋だろうか。浮浪者とか警官とかトラックのドライバーとかに向けられる眼差しは、基本的に暖かい。渡る世間に鬼は無し、といったところ。

それは、旅の終わりに登場するメディア関係者においても同じだ。この職業が批判的に描かれるのは毎度のお約束だが、浮薄ではあるけれど腹黒いわけではなく、ただ少し思慮が足りずに時間に追われてその日を生きているだけ、という捉え方。父ちゃんのパンチで軽く撃退。

博物館の事務屋トップだけは、少しだけ悪巧みの色を付けているが、こちらは母ちゃんのパンチで撃退。

いい父母に守られたいい家族というレガシーな幸福感。
ぬくもりをじんわり感じさせてくれる、悪くない一本。

|

「インターステラー」

マシュー・マコノヒーもアン・ハサウエイもいい味を出している宇宙もののドラマ。これがネタバレ禁止とは辛い。とはいえ、初めの方でなんとなく筋は読めた。秘密めかすのはマーケティング戦術だから、大目にみたい。

SFは Sense of Wonder だというけれど、それは最初に降りた星の壁のようなアレで一番よく出ていたように思う。良く知っているものなのだが、たたそれが桁外れにありえない。「高い山」は普通にあるけれど、「リングワールド」の「神の拳」が普通じゃないように。あるいは「ロシュ・ワールド」の・・いや、それはネタバレすぎるか。

映像的なよさはここが一番だったと思う。

そのあとは、まあ普通にありそうな展開。最後のところは、少しオカルト風。高度に発達した技術は魔法と同じだそうだが、この映画ではむしろ、オカルトと同じになっている。

そのあり得ないことを土台にして、感動の人間ドラマを構築しているのが、ちょっと泣けるところ。たとえば「シックス センス」あたりにも見られた手法。伏線として、前半の哲学めいた雰囲気と終末感づくりが効いている。「2001年宇宙の旅」を見ているような。

話の展開はいろいろ突っ込みどころが多いが、ドラマ部分を観ていればそれほど悪くない。アン・ハサウエイの大きな大きな少年のような瞳を観ていれば幸せに過ごせる。そうやって見ていると、結末もしっくりくるのでお薦め。

いまどき一風変わった作風の一本。としておこうか。

Pic03

ブラックホールに足の方から吸い込まれると、頭のてっぺんと足の先とで、受ける重力の大きさが違いすぎて、体が強力に引き伸ばされて一巻の終わり、ということだったと思うけど、まあ、その種のまじ突っ込みは無しでお願いします。(空間そのものがひきのばされるのだったら、その中に存在している(マッピングされている)体は何の影響も受けないかもしれないし)

この先は、本当のネタバレです。
ネタバレが致命的に感動を殺いでしまう作品は、感想が本当に書きづらい。

Continue reading "「インターステラー」"

|

2014.11.21

「ショート・ターム」

問題を抱える子供たちの、施設での生活と職員の奮闘を描く。職員が、同じ施設の経験者だということが徐々にわかってきて、彼らの熱意と忍耐強さに得心がいく。

身のまわりにそうした子どもがいないので、映画で一端を垣間見る程度の知識しかないのだが、親も子もたいへんだろうなと思う。親の方に原因がある場合もあれば、子どもに少し先天的に障害がある場合もあるのだろうか。

そうした子どもを受け入れて、なんとか普通に社会の中でやっていける程度に成長を促す場所があるのは、幸いなことだ。

映画なので、それなりのドラマに仕立てているとはいえ、あまり感傷に浸らずに、知識として見るのもひとつの鑑賞態度だろうか。

Pic9


|

「紙の月」

原作は未読で、映画だけ観た。

登場人物は、いずれもいかにもな感じで、パターン化されている。何もかもつくりもののようだ。観ている間は、退屈で仕方がない。いかにもありそうなキャラクタと話の展開。案外この、つくりもののようなニセモノ感が、主人公が抱える虚無感をうまく表現していたのかもしれない。

豪遊で使い込む金額の、収入に比べた大きさも、虚無感の大きさの裏返しだ。

加えて、宮沢りえの声。かすれたような、心がどこかを彷徨っているような、そういう声が、全シーンで虚ろに響く。どこかで、腹の底から出る声がありそうなものだが、それは最後までない。

退屈で先も見えたかに思えたところで、結末のちょっとした激発。豪遊で使い込んだといっても、後始末をだれか親戚に頼めそうな程度ではある。ところが彼女はそうしない。どこか常軌を逸している。

突然の大音響と意外な行動。「いっしょに来る?」の台詞は、行動の大胆さと裏腹に、あくまでも虚ろなままだ。行為の熱さと声の空虚さとのギャップが、作品の意図を正しく伝えているように思える。これはアブナイ人のアナーキーなお話なのだ。

一緒に来る?と言われて、ひょっとするとついて行ってしまい兼ねない人はアブナイ。
自分はそうでないと思いたいものなのだが。


|

2014.11.19

雑記141119

Ingressは企業広告を取り入れ始めた。ローソンがまず手を挙げたようだ。同じ企業ロゴのポータルが一気にたくさん現れて、どれがどれだかわからないですけど。(笑) まあ、別のサムネイルも申請登録できるそうだから、徐々に馴染んでいくだろう。

ポータル情報をゲーム会社に提供して、別のARエンタテインメントも作られているそうな。それも楽しみ。

基本的な遊び方は変わらないけれど、このところは、普通にポータルを壊しては作るやり方で。たまたま広尾に出掛けてみたら、resistanceの皆さんが20人くらい集まってFFをやっていた。

意地悪く破壊活動してもよかったのだけど、まあ、向こうも気持ちよく楽しんだ後、こちらも楽しめばいいかということで、しばらくHackだけしつつ待ってから、皆さんお帰りになったあとで活動開始。

これだけ面的に密なL8ファームはなかなか無い。真ん中でL8Bを打ちまくってストレス解消。(笑)
他にもenlightenedの人が何人か来ていたようで、120発とcube30個程度で済んだ。

Screenshot_20141118212126 Screenshot_20141118222213 Screenshot_20141118222218

Screenshot_20141118222440 Screenshot_20141118222702

あと少しでLVL10だが、もうそろそろ、控えめにしていいかな。
体重は結構減ったので、よかったが、冬が来ると外歩きもつらい。

|

2014.11.09

「ヘラクレス」

いや、面白かったですよ。普通に。あまり話題にもならないようだけど。

カレーライスというものを飽きずに食べるでしょう。
本場風スパイシーなのはもちろん、チェーン店のチキンカツカレーだったり、欧州風チーズカレーだったり、和風出汁が効いたジャガイモほくほくの母さんカレーだったり、新宿中村屋の・・いや固有名詞は置いとくとして。

それと同じ。

基本形はマッチョなヒロイックファンタジーで、ただ毎度味付けが少しづつ違うけど、飽きずに見る。見るたびに「おーすげー」とかいって満足する。

そういう種類の作品であります。悪くない。娯楽とはそういうもの。

この作品の特徴的な味付けは、最近の流行りなのかもしれないが、神の子ヘラクレスが、実は人間の精鋭傭兵チームを率いるリーダーだという設定。彼を妬み嫌うのは、神々ではなく、人の世界の王や将軍たち。ヘラクレスの野心のなさ、民衆からの人気を恐れるあまり、姦計をもって陥れようとするのだ。

悪人てほんとにバカだなあと思うのは、捕えたヘラクレスの前に素顔を晒して勝利宣言するあたり。自分で表に出ずに、さっさと手下にとどめを刺させておけば、あっさりカタがつくのに、つまらない隙を見せて、英雄の激怒パワーを引き出してしまう。

あとはもう、「お前の血は何色だーっ」てな具合でカタルシス。素晴らしい。素晴らしいよ定型。

ドゥエイン・ジョンソン、さすがに本職だっただけあって、自然な闘士ぶり。馬上の剣士を迎え撃つシーンで、交錯した瞬間の身のこなしなど、ハッとする。避けるだけなのだが、最小限の動きでキレがあって。たぶん本人がやっていると思うけど。
それに加えて、凶戦士というより頼れるリーダー風なのがいい。顔つきが基本的に優しいのを生かしている。

次もいい作品があるとよいですね。

Pic12_2


予告編でチラリと見られるオホッなシーンなどは出てこない。他にもカットされているシーンがありそう。
日本向け、あるいは家族向けに編集されているのだろうか。少し残念。
案外そういうゲスいところで、娯楽作品の人気は決まったりしそうだけど。

|

2014.11.08

「美女と野獣」

映像が美しい。そして主演女優も。以下ネタバレ。

お話は、まあ乙女チックな夢物語。サプライズはない分、裏切られることはなく、安心して見ていられる。むしろ、ファンタジーの映像や、美女の衣装などに目を向けると、眼福。

このレア・セドゥという女優さん、今後も期待。ヴァン・サン・カッセルは、今回はあまり味のある役ではなくて残念。「トランス」のときのような役でまた再会したい。

Pic11


|

2014.11.03

141101キャンプ納め

文化の日絡みの三連休は、たいていキャンプ納めになる。場所はもちろん閑古鳥キャンプ場。
20年前、綽名のとおりの閑古鳥が鳴くところだった頃は、11月には水道が凍るから10月で閉める、と管理のお母ちゃんは言っていた。
その後、繁盛しはじめたからなのか、それとも地球温暖化で水道が凍らなくなったのか、理由はともあれ、今年は11月第2週末までやっている。客も昨年よりさらに増えている。

飽きずにここへ来る理由は、針葉樹の森の静謐さと広葉樹の森の華やかさや温かさを等価に味わえるから。どちらか一辺倒でないところがいい。
道路が整備されて、観光地化が進んで、なんと交通取り締まりのパトカーが巡回する!ようになっても、その良さは変わらない。

Img_20141102_090615 Img_20141102_074531 Img_20141102_065325

* * *

街道沿いに、結構賑わっている道の駅がある。いまや道の駅はどこもそうだが、ほぼ地元の物産市と化している模様。東京からの時間距離が近いからなのか、値段は東京のスーパーと変わらない。仮説駐車場を拡張して、来客に備えている。

これはある種、アウトレットモールと似ているかもしれない。
郊外へ出かける手頃な目的地としての買い物施設。
Wifiも使えるのね。

Img_20141101_130500

* * *

今年は、周辺にも足を延ばして、石割神社などに登ってみた。これもIngress効果。ちと足掛かりにしたいポータルがあるのだ。
上りの石段がきつい。しかも、403段上がっても、神社など影も形もなく、そこからさらに30分以上、山道を登っていかなければならない。

御神体の巨岩の裏側に、人が横歩きでやっと通れるような裂け目がある。三度右回りに通ると御利益云々の立札がある。そうとは知らずに左回りで一度だけ通ってみる。生まれついての損な性分。

Img_20141101_152559 Img_20141101_152109

* * *

山中湖畔でカレーバイキングなど食していると、陸を船が走っている。ほんの一瞬だが、東北で見たシュールな光景を思い出した。まあ、ここはおだやかな山の中だ。これ、後ろにはちゃんと舵が付いてるのね。あんなので曲がれるのかなあ。

Img_20141102_123050 Img_20141102_124409

* * *

例年だと、箱根を回って帰るのだが、今年は同じコースをピストンで戻ってきた。ヤビツ峠から大山に登るためだ。
これが、結構な上り。道は整備されているのだが、勾配がきつい。小学校で遠足に来たはずだが、あれはケーブルカーの方のルートだったか。鹿が居て、人には慣れているようだった。
途中から雲行きが怪しくなって、山頂に着くころは猛烈な突風と雨とガス。ナップザックの底に常備のレインウエアが役だった。

Img_20141102_151756 Img_20141102_161656

* * *

文化の日は穏やかな晴天が多いと思ったけれど、今回は全体に悪天候だった。
でも2日の午前中は晴れ間もあって、街中より一足先に紅葉を楽しめた。

Img_20141102_093317 Img_20141101_084656 Img_20141102_130913

* * *

今回の作品はこちら。

Pic01

この3点は、閑古鳥キャンプ場までの通い慣れたコース上にあって、お手軽だ。
山歩きと一緒に楽しみが増えた。


|

« October 2014 | Main | December 2014 »