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2014.08.30

「LUCY」

薬の作用で、脳の使われていない部分の能力をフルに活用できるようになったら、という設定は面白い。でも残念ながら、人間を超える知能を描くことに、人間の想像力が追いついていかない、という印象。そこを、生命の本源的な目的とは、という話に転化して凌いでいる。以下ネタバレ。


人間は脳のほんのわずかしか使っておらず、大部分の機能は眠ったまま、という説は、脳研究がまだ進んでいなかった頃の話だと聞いたことがある。いまでは、実は脳のかなりの部分を使っているという説が有力だそうだ。

まあ、そういうミもフタもない話は置いておいて。

脳の力を全開にできたとしても、物理法則、特にエネルギー保存則を捻じ曲げることは無理でしょ、と思ってしまうと、この映画は楽しめなくなる。いや、たいていのSF映画は、というべきか。

そこはあえて目をつぶって、何でもできる人間は、何をしたらいいのか、というテツガク的命題で楽しむのがよさそう。
モーガン・フリーマン演じる老科学者が、そこはうまいことを言う。何でもできるのは、言い換えれば神というものだけれど、人間いや生物としての尻尾の名残を上手に残してあげた、みたいな。

この種の尖った能力は、たいてい寿命と引き換えだ。このお話のタイムリミットも極めて短い。そして、このお話は、むしろ終わった後からが本当は面白いはず。LUCYの最後にして始まりのセリフもそう言っている。

でも、その面白さを、普通の人間の想像力では創造できないので、映画はここで終わらざるを得ない。残念(笑)。

Pic5

見える!わたしにも見えるぞ!

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