「アクト・オブ・キリング」
ひと月ほど前に見てはいたのだが、感想を書き忘れていた。
映画としては、あまり面白くはない。
実際に、ああいった虐殺事件が、インドネシアで起きたということは、映画を見て初めて知った。2012年に製作された映画が、日本で、こういうタイミングで公開されることに、何か意図を感じないわけではないが、まあそれはそれ。
ならず者である彼らが、なぜ自らの役を演じるこの映画のオファーを受けたのかが、最大の謎だったが、どうやら、彼ら自身は、自分を、本当に英雄だと信じていたようだ。それなら確かに、その英雄譚を映画にしてみないか、と言われて、断る理由もないわけだ。
映画製作に、俳優として参加することで、彼らは、作中の役柄について否応なく考えることになる。それが、視野を広げ、他者の目で自分を見るきっかけを与える。その結果、何が彼らに訪れたか。
なかなか面白い趣向の作品でした。
しかしなぜ、彼らはこれを公開することを認めたのだろう。謎はますます深まる。
いや、単に契約で縛って罠に嵌めたのかもしれないけれど。(笑)