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2014.04.06

「パリ、テキサス」

ロードムービーの金字塔とされる、ヴィム・ヴェンダースの作品。

テーマは、言ってしまうと身も蓋もないのだが、育児放棄と家族愛。大家族制があれば、それなりに吸収できていたものが、核家族が普通のことになって見えてきた困難な問題。

なのだが、私的にはむしろ、気が狂うほど愛した女の失踪で、少しおかしくなった男が、自分を取り戻す恢復のお話に見える。実際、作品のかなりの部分が、この男と小さな息子との交流で占められている。

この子がまた利発で可愛らしいことこの上ない。彼を4歳から8歳まで預かって育てた叔母が、手放したくなくなるのも無理もない。けれども、子どもにとっては育ての親より生みの親。戻ってきた父親と一緒に、母親探しの旅に出てしまう。

探すあてはあった。そして目論見どおりに探し当てたのだが。妻の職業は子供には見せられないものだった。

奇妙な形で妻と再会し、二人だけの部屋でマジックミラー越しに会話を交わす男。言葉を失うほど重くのしかかっていた過去を、諄々と話していくうちに、男は静かに、心の芯を取り戻していくようだ。

結局、男は妻との暮らしを求めずに、息子を泊めてあるホテルの部屋を告げて去る。昔夢見て土地まで購入した家族での暮らしを、彼はあきらめたわけだ。それは、幻想だった。結婚生活というものに、かれは幻想を見ていたのだった。彼の父親が、ありもしないパリの幻を、テキサスの田舎に見ていたように。それが彼の母親をどんなに苦しめたかわかりもせずに。

呪縛は、ようやく解けた。彼の判断はおそらく正しいが、飲み込むのに4年という歳月を要したことでもあった。

妻と息子の再会を遠くから認めたあと黙って立ち去るラストシーンが切ない。このあたり、「MUD」にとてもよく似ている。ひとつの美学なんだろうか。

映画って昔から変わらないのだなあ、ということを、確認した1本。

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Comments

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So what can we do as internet account users if the very sites we depend on cannot offer complete protection.
Now to view if he can ensure that it stays up come the summer
months of 2009 with Transformers: Revenge from the Fallen.

Posted by: hackzone2.jimdo.com | 2014.04.07 at 03:16 AM

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