「オール・ザット・ジャズ」
「TUTAYA発掘良品」という企画で上映されているうちの1本。
お話は、ボブ・フォッシーの自伝的なものだそうな。ダンスの振付師から始まって、ブロードウェイ・ミュージカルの演出から映画監督まで、ショービジネスで才能を発揮した人らしい。
あらすじは、彼の活動を活写する形をとっていて、ミュージカルの稽古場面が多い。そのため、音楽と踊りに溢れている。興行主を前にしたお披露目のミュージカルは、前後半とも圧巻。
ショービジネスの舞台裏の合間には、私生活の描写が盛り込まれて、テンションの高さを無理矢理に保つ過酷な実態が垣間見える。
その無理がたたって、主人公は心臓疾患で倒れるのだが、そこからまた、騒々しく楽しげな入院生活が描かれる。
結局、心臓外科手術の甲斐なくこの世を去るのだが、その死に際の描写がまた、ミュージカル化されていて、これが長い。長いのだが、観終わってみると、その長さが死に直面した人の逡巡をよく表しているように思える。
パルムドール受賞作。
(この年は、黒澤明の「影武者」も同時受賞している。)
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