「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」
同じ監督のG.I.ジョーがあれだけつまらなくて(失礼)、本作がこれほど面白いのは、原作の力なんでしょうか。それとも単に軽薄矮小な私のツボに来たからなのか。マッチョ系や正義一本背負い系やチームワークむんむん系に辟易している向きにぴったりの、塩系フリーターぼっちの活躍。オカルトサスペンス。以下ネタバレ。
週末に1~2本、いきあたりばったりに流行りものを劇場で見るだけの素人が言うのはおこがましいのだけど、これの映像音楽は、何かこう、軽薄に思わせておいて実は本物っぽい。怖いところはとても怖いし、軽いノリのところはとても軽快。おまけにヒロインが極め付けにキュート。あ、それはサービスか。そしてラストは・・。それでこそぼっちよ。孤独で霊能な探偵の黄金パターンよ。出来過ぎで目から塩が出ます。
このお話は、舞台が町レベルでこじんまりしているのがいい。気ままに生きていく世界観を肯定しているのがいい。その裏に、こことは違う世界の存在を織り込んで盛り上げているのがいい。つまり、ごくごく普通のささやかな妄想と願望を満たしてくれているのがいい。
邦画でも、大きなイオンモールが生活の中心にあるような町を舞台に、こういうお話がつくれたら、刺さる層があるような気がするんだけんども。
米国公開が大人の事情とやらで未定だとか。
今回の日本公開も、新宿と梅田の2カ所だけ、1週間限定だそう。
どんな残念なことがあったんでしょ。
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