「ゼロ・グラビティ」
3D映像の威力を最大限引き出すこのプロットを考えた人はすばらしい。
もちろん、絶体絶命の窮地に陥った人間のドラマが中心にあることは言うまでもないのだが、それにしても、この宇宙空間の深み、高速で飛来するデブリの恐怖、遊園地の回転ブランコのような上下感の喪失などは、実際には少し違うだろうと思いつつも、3Dならではの映像に眩暈がするほど。IMAX3Dで真ん中付近の席で見たのもよかったかもしれない。観終わって少し疲労感が残るくらい迫力がある。
原題が単に"GRAVITY"となっているのは、たぶん、生還したラストシーンで、普段は意識しない地上の重力を、生きている実感に重ね合わせているところを重視したからだろう。米国での観客の6割が女性だそうだから、サンドラ・ブロックが演じる女性の方に関心が集まっているということか。
一方で、邦題に「ゼロ」が付加されているのは、無重力空間のサーカスめいた映像を重視しているように見える。
興行側のマーケティングの違いなどが見えるようでちょっとおもしろい。
[追記]
こんなサイドストーリーも作られている由。
「Aningaaq (HD)」
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