「ハンガー・ゲーム2」
「1」と同様のフォーマットで、サスケでも見るつもりでだる~く楽しむかと期待せずに行ったら、最後に怒涛の新展開が待っていた。んで、そこで切ってしまうのかああぁぁぁ。
というわけで、これを見ると、どうあっても「3」も見ないわけにはいかないという、興行側の策略にはまります。w 以下ネタバレ。
「1」では、ゲームの背景など、世界設定そのものを見るのが半分、ゲーム出場者の奮闘と悲哀を見るのが半分でした。本作では、栄誉ある優勝者という虚構がはげおちて、過去のゲームの生き残りどうしを戦わせる禁じ手に、主催者側が踏み切ります。前回優勝者である「炎の少女」ことカットニス・エヴァディーンが、圧政に対する反乱の象徴となってしまったことへの対処のはずだったのですが、カットニスの予測不能の行動で、目論見自体が、東京ドーム20個分くらいの大競技場とともに崩壊し、むき出しの力による鎮圧が始まった!・・というところで終わってしまうのです。ひどい。w
それにしても、このカットニスというキャラクタの複雑さは、このシリーズの大きな魅力。故郷の恋人と、競技を通じて信頼が深まったパートナーとの関係は、友達以上恋人未満的微妙さがむずがゆい。殺人サバイバルという異常な状況が背景にあるとはいえ、このバランスが細かく揺らぎながらも保たれているのが、まるで果てしなく続く昼ドラのようです。
さらに、ブチ切れたときの発想と行動。いや、あんたそういうやり方で競技場自体をぶっ壊しますか。恐いです。動物園に虎を見に行って、檻の前でへへーんとか舌を出してからかっていたら、むかついた虎の奴がいきなり斧を取り出し檻を叩き壊してこっちきたー!目の前に来たー! みたいな恐さです。
そして、故郷に対する鎮圧を知らされた時の怒りの表情のどアップ。どれだけ鏡の前で研究したんだという百面相が見られます。ここは笑うところなのか怯えるところなのか迷いますが、間違いなく、「3」を見るまで帰さないわよというジェニファー・ローレンスの決意というか恫喝が漲っているのがわかりますw。
というわけで、「3」へのつなぎとしての「2」ではあったわけですが、このシリーズの底流にある三角関係は、この後どのような展開を見せ、どのような決着を迎えるのか、目が離せません。独裁と反乱のような大きな絵柄は、むしろ背景の喧騒にしか思えないほど、こちらの方が面白そう。
起きている時間の半分以上を、仕事上の人間関係に費やして、家で家族と過ごす時間は実は少ない普通人に、さっくりと刺さるテーマを、この映画は持っている。そういう意味で、興味が尽きないと言えます。
どうでもいいですが、次、「3」を早く見たいわけです。反乱する民衆のみなさんも、早く「3」をと、無言でサインを発しておられるわけですし。w
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