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2013.11.03

「セイフヘイブン」

穏やかで幸せな恋愛映画に、少し影を絡ませて感動を深めた良作。ハッピーエンドで明かされる、ある意外なことに、ちょっと泣けるのもいい。上映館が少ないけれど、もっと多くの人に見てもらっていい作品。本年いまのところのベスト5に入りそう。以下ネタバレ。

あっと思わせる瞬間が二度あって、おアツい空気の恋愛映画とは少し違う味わいになっている。このカテゴリの作品を見慣れている人にとっては、お馴染みのパターンなのかもしれないが、私は、その意外な瞬間が映画を立体的にしていて、とてもいいと思った。

原作者は、「君に読む物語」と同じニコラス・スパークス。恋愛ものらしからぬミステリアスな背景設定、じっくりと愛が熟成していくストーリー展開、あっさりした、少し泣ける後味のよさ、諸々が、乾いた都会暮らしの心に沁みてくる。この作家さんは男性だそうだが、バランスとセンスのよさが感じられる。

舞台になる海辺の小さな町の雰囲気もいい。石の街に住む人間の憧憬をかき立てる自然の風景に、ボートに釣り具に桟橋、砂浜、自転車に並木、小さな港、木造の雑貨屋、森の中の小屋、などなど、道具建てもそろっている。湖沼地帯を思わせるような、美しく入り組んだ水路まで登場。もうたまりません。これが、あちこちのロケ映像をつなぎ合わせたのではなく、ノースカロイナ州サウスポートというところに、自然に全部あるらしい。うらやましいかぎり。

主役の二人、ジュリアン・ハフとジョシュ・デュアメル、それに子役の二人も最高。計ったようにこの物語に合う。地味だが、男の子がよかった。ジュリアン・ハフという人は歌って踊れる多芸な女優さんなのね。

監督はラッセ・ハルストレムさん。影を退けて幸福を掴むこの映画の、緊張をはらんでかつリラックスした雰囲気を、力まず緩まず破綻なく作り出してくれました。素晴らしい。

いいなあ。ほんとこれはいい映画だわ。

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