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2013.11.16

「マラヴィータ」

マフィア映画はほとんど見ない私でさえ、思いきり楽しめる。日常のちょっとしたいらつきやむかつきを、思い切りのいい暴力でスカッと解決。わけありの元マフィアとその家族を、コメディタッチで描く傑作。

イラッやムカッに、共感できる材料をもってきて、コメディの味を澄んだものにしている。あげくに、追手のマフィアとの派手なバトルが、家族の絆を深め、子供たちの成長物語にもなり、ドラマの要素もしっかり組み込んで、満足度の高い仕上がり。以下ネタバレ。

恐るべき正体を隠して田舎町を転々とする一家。追跡者に居場所が露見して襲撃を受けながらも返り討ち。どさくさに紛れて次の隠れ家へ遁走。これで思い出すのは、吸血鬼一家の物語。そのドラマ性で瓜二つといえる。

黙っていても楽しいそういう骨組の上に、この作品はコメディの味付けを大盤振る舞い。泣く子も黙るマフィアのボスと、いまではFBIの保護下で身をやつす、しょぼくれた、しかし心優しい夫でパパのイメージギャップを、デニーロが如才なく演じている。田舎の人たちのあけすけで罪のない暴言に、思わずキレて本性を現しそうになるデニーロに、FBI役のトミー・リー・ジョーンズがタイミングよく釘を刺すあたりがコメディの基本パターン。家族の面々もそれぞれ、マフィアの特技を存分に発揮しながらも、憎めない人間味を出している。

妻役のミシェル・ファイファーが、手作りのイタリア料理で、FBIのスタッフと仲良しになっていたり、デ・ニーロが自伝に登場させるFBIの記述に手心を加えることで、ビジネスライクなはずのFBIと取引したり、マフィアとFBIという、本来は緊張関係にあるはずの両者間にも、妙に緩いつながりができていて、この元マフィア一家の人間味を窺わせる。子供たちも同様、侮辱に対しては容赦なく暴力で報復する一方で、普通の思春期の恋の悩みや自立への欲求など、思わず応援したくなる面を見せる。それがたとえ、マフィアとして「水に手を浸す」ことになるとしても。

マフィア映画が好きでも嫌いでも、これは文句なく楽しめる一本でした。

Pic04

※マフィア映画らしく、暴力シーンは多めですのでよろしく。

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