« 「ビザンチウム」 | Main | 「ウォーム・ボディーズ」 »

2013.09.28

「凶悪」

主役3人の男どもの怪演を見に行く映画。原作はノンフィクションだそうだが、本当かと疑いたくなるような極悪な事件とドラマティックな展開。

3人のうちの1人目、やくざの男は、怒り出すと平気で人を殺してしまう。凶悪というよりも、むしろ凶暴。近寄りたくない。それなのに、同棲している女からは人情味があると言われている。

2人目、不動産ブローカーは、金のために人を殺すことに抵抗がない。どころか、楽しんだり興奮したりする。凶悪というよりも、むしろ邪悪。同じ空気を吸いたくない。それなのに、周囲からは面倒見のよい先生と思われていて、家族があり、たぶん家ではいいお父さん。

3人目、ジャーナリスト。正義に名を借りた復讐のためなら、人を死に追いやることになんの良心の呵責もない。ためらいがないというより、悪人の死を願っている。そして、家では妻とうまくいっていない。彼を凶悪仲間に入れるかどうかが、悩ましいところ。

4人目として、電気屋の妻と息子を入れてもよい。気は小さいから積極的に手を下さないが、金のために人が死ぬことを、まあ仕方がないと思っている。自分が良ければ、そしてばれなければ、それでいい。自責の念はある。だがそれなら、1人目のやくざにだってある。


ここで、はたと気づくわけだ。おやおや、自分とは関係ないと思っていた、凶悪な人間というものが、だんだん自分に近づいてきていないか? つまるところ、凶悪な人間と普通の人間の間には、一線があるようで、実は案外曖昧かもしれない。

これは気を付けないと。迂闊なことは言えない。そういう一本でした。

Pic01


|

« 「ビザンチウム」 | Main | 「ウォーム・ボディーズ」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「凶悪」:

« 「ビザンチウム」 | Main | 「ウォーム・ボディーズ」 »