働く自動車 : 水素ボンベ交換車
電気自動車のフィーバーが一段落して、航続距離と充電インフラの課題がはっきりしてきたところで、メディアのネタとしては、再び水素燃料電池車の話題が浮上しているようだ。まだ高いけど。
燃料電池車には航続距離の問題はないから、価格を除けばあとは燃料供給インフラ整備が課題になる。水素スタンド建設のために高額の先行投資が必要とのことで、普及の障害とされている。
それでふと思うのだが、路上給油、いや給水と呼んでおこうか。そういう方式での燃料供給はできないのだろうか。
ガソリンの給油を路上でやるのは、確かに引火の危険が大きそうだが、水素ボンベの交換ならどうだろう。危険はあまりなさそうだ。車体の構造やデザイン上の問題は、現在のLPGタクシーを参考に、ボンベのサイズを小割にするなどの工夫でなんとでもなりそうだ。(ちなみにLPGタクシー専用車は2017年で事実上生産終了しそう)
あるいは、ボンベの交換ではなく、普通に給水する方式もあるかもしれない。そもそも水素燃料の給水には密閉式のアタッチメントが必須だから、スタンドでも路上でも、ヒトの操作による揺らぎが介在する余地はなく、安全性に違いはない。水素が周囲に漏れる心配は、同程度だろう。万一少量漏れてもすぐに拡散するから、ガソリンほどの危険はなさそう。
渋滞の原因になる可能性はあるかもしれない。ある程度のルールづくりは必要だろう。折衷案として、スタンド代わりの更地だけ用意しておいて、水素給水車はそこに駐車して営業すれば、渋滞問題は回避できる。最初から大型の地中タンクをつくるよりはるかに安上がりでよさそうだ。立ち上がり期には、こうして小さい投資でまわしていく方法もあるだろう。
路上給水に話を戻すと、給水車を見つける面倒があるかもしれない。ところが、高度文明社会のおかげで、いまやGPSで給水車の居場所をトレースすることが可能だ。カーナビに表示して、給水したければその移動体を目的地としてロックすれば、ナビが追いかけてくれる。ロックされたことが相手車に伝われば、加速減速して顧客の車に早く接触することもできるだろう。
いろいろ想像を膨らますと、なんだか面白いね。このネタは。
インフラ整備に金をかけられない新興国に輸出するにも適しているかもしれない。電話でも、有線の段階を経ずに無線インフラの普及が進んでいる地域があるそうだから、そのアナロジーは十分成り立ち得る。
なにより、(これが本音だが)、風景としても、楽しいです。
2人乗りくらいのマイクロビークルが、軽トラックの水素給水車を呼び止めて、ボンベを交換してもらいがてら立ち話なんて、いいんじゃない?w
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