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2013.08.04

「アイアン・フィスト」

あまり映画的教養もなく、行き当たりばったりに見ているのだが、それでも、この映画がタランティーノだなということは、なんとなくわかる。ちょうど、ウッディ・アレン作品が毎回ウッディ・アレンであるように。

お話は頑なにB級の枠を守り、それでいて映像表現は一流。そういうギャップを毎回楽しめる。ところどころ、英国による植民地支配をくさしたりしているのが、今回は少し目新しいか。

悪役陣は、強欲、無敵、残虐、陰険、野卑、と、それぞれの方向に極限まで突っ走っていて、十二分に虫唾を走らせてくれる。このあたりの徹底ぶりはやっぱりタランティーノ。

なにしろ、攻撃されると金属に変質する体を持つ怪力無双で功夫の達人の大男、という無敵すぎる悪役に、デヴィッド・バウティスタですから。よく知らないが、本物の有名な格闘家だそうな。なるほどすごい迫力。
ところが、画面の中ではこれに負けていないのが銀獅子という悪役の親玉を演じるバイロン・マン。この人は声と目力で周囲を圧倒している。
さらに、銀獅子の子分の銅獅子には、これまた本物の格闘家のカン・リー。現在世界ナンバーワンのカンフー・ファイターでもある。のだそうな。すご過ぎる。

そして第三勢力の首領マダム・ブロッサムには、ルーシー・リュー。もうね、悪の華を見せるための映画ですよこれは。いや、ルーシー・リューは最後にちょっといいところを見せるのだけど。


この悪役陣の充実ぶりに比べると、善人側は少々弱い。双飛という武術家夫婦は、見た目は派手な業を繰り出すのだが、完全なやられ役だし、父親を銀獅子に殺されたというX剣の使い手も、いまひとつ存在感が薄い。
なにより、主役の鍛冶屋を演じる人は、音楽家のようで、演技の方は、声、表情、動き、どれをとってもいまひとつ。
助っ人にラッセル・クロウを迎えて、辛うじて悪役陣とのバランスをとっている感じは否めない。

というわけで、ひょっとするとこの映画は、バラ色の悪の世界とその崩壊を描く作品なのではないかと、見終わったあとでは思えてくる。w レザボアドッグスという作品があるそうだが、それを見てみたい気がしてきた。
いずれにせよ、極彩カンフー活劇の宣伝文句そのままを堪能できる一本ではありました。

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