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2013.08.31

「マン・オブ・スティール」

これは力が入った。スーパーマン映画はこれまで見ないようにしてきたが、監督とプロデューサーの名前に釣られてはじめて観に行って、その甲斐があった。本年のBEST5に間違いなく入る。以下ネタバレ。

まずクリプトン文明のデザインに引き込まれる。
有機体的な造形と金属質の材料との混成具合がわたくしの好み。一番特徴的なのはディスプレイだが、乗り物や鎧のデザインにも、有機と無機との間でのバランスが考えられているように見える。
ディスプレイに使われている技術は、最初は小さな画面から少しはみ出すだけだったが、お話の中盤で周囲全面のレリーフにいつの間にか展開して驚かせてくれるし、クライマックスでは・・想像どおりの展開で立ちはだかってくる。話が進むにつれて不気味さが増し、物語と共鳴する。

次にアクションの緩急に目を奪われる。
「300」では普通のスピードとスローモーションとの組み合わせだったが、今度は普通と超高速の組み合わせ。忍者アニメなどでも見られるが、リアル感のある映像でこれを違和感なく作られると、とんでもない迫力になる。ザック・スナイダーの本領発揮というところ。この監督は、そういったわかりやすい部分以外でも、映像にたいへんキレがあって、観る側の emotion を強く呼び起こしてくれる。

そして主人公と彼の周囲の人々だけでなく、敵役の心情にも打たれる。
いい映画の胆は、ここだ。敵役にも三分の理、どころか、場合によっては主人公を上回る正統性や共感を呼ぶ情緒がありながら、しかし受け入れ難い立脚点があって、それを梃子に、主人公が相手の存在を超克する、という構図が、この作品では十分よく練られている。アクションも何もかもが、この点を浮き彫りにするために効果的に使われている。スタートレック・イントゥダークネスのちぐはぐでまとまりのない感じと比較すると、この作品の骨の太さがよくわかる。

ほかにも、スーパーマンと共に侵略者と闘う軍人、文字通りビルをなぎ倒す激闘の中で、逃げる以外に成すすべのない一般市民、それぞれの闘いがきちんと描かれていて、「町を壊しているのは怪獣よりむしろウルトラマンだよねママ?」という他人事のような立ち位置を許さない。世界の警察官をまだ降りていない国の辛いところでもある。そういう部分にいい役者を配置して、脇をしっかり固めている。

なにより、異能者であるカル・エルを守り育てたケント夫妻に、ケビン・コスナーとダイアン・レインを充てたのは大正解だった。スーパーマンが、生まれ故郷の星より地球を選ぶぎりぎりの選択を行う下地は、この夫妻にあったのだから、最も重要といってよい役回りだ。ケビン・コスナー、久しぶりに見たが、よいなー。
そして、ロイス・レーン役に・・エイミー・アダムス。よかった。ミラ・キュニスさんのような濃ゆい感じの人でなくて本当によかったです。

それにしても派手に街をぶっ壊してくれました。東京タワーも毎度怪獣たちにやられては復元していたが、マンハッタンの摩天楼の蘇生力はそれ以上か。この前アベンジャーズでぶっ壊されてから何か月でしたっけ?

いや、冗談抜きで、よい作品でした。


Pic04


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