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2013.03.17

「クラウド・アトラス」

設定を聞いて、どれだけ混乱するかと思いきや、とてもわかりやすいメッセージで貫かれていて、得難い体験ができる。ディテールにあまりとらわれずに作品全体を受け止めるのもよし、どの俳優がどの役を演じているか細かくチェックするもよし、二度三度見ても楽しめそうなちょっと変わった映画。それでいて、ああ、これが映画というものだよと思わせるしっかりした仕上がり。作り手の力量が存分に振るわれた。満足度の高い一本。以下ネタバレ。


正直なところ、あまり理屈を言いたくない。よい作品というのは、そういうものだろう。だから感想は手短に。

輪廻という考えに馴染みがある日本人としては、この作品はとてもわかりやすい。だからというわけでもないだろうが、公式サイトでは、トム・ハンクス演じる一人の男の、魂の変遷と運命の出会い、といった売り文句を押し出しているようだ。

しかし、この映画だけを見てそれを感じ取るのは難しい。この作品はむしろ、ヒトという存在の多面的な相が、各時代の個々の人間を介して繰り返し描かれていて、特定の一人を追うという感じは薄まっているように思う。個別の人間ではなく、全体として感じ取ることの方が、素直な受け止め方だろう。

これは相当に東洋的な感じ方だ。原作小説がどう書かれているのはは知らないが、映画についてはそう言える。

3Dのような視覚効果を追求した映画がここ数年は優勢で、それはそれで楽しいけど、このところは、物語を中心に据えた良作がちらほら復活してきて嬉しい。この作品もそのうちのひとつ。

ところで、物語とは別に、それぞれの俳優さんが、4つも5つもの役を演じているのを見るのも、この作品の楽しみ。男優が女性を演じていたりもする。

私のお気に入りは、トム・ハンクスの人殺し小説家役と、ヒューゴ・ウィービングの無慈悲な女看護師。俳優さんの本来のイメージを逸脱した配役で、それがまた、味を出しているのがいい。笑えました。


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