「きいろいゾウ」
ありがちな夫婦もの。しかし宮崎あおいの小動物風につくった表情やしぐさを見ているだけで、それなりに時間は過ごせる。向井裡という俳優は、よくわからない。以下ネタバレ。
夫婦ものというとまっさきに「今度は愛妻家」を思い出してしまう私は、どう考えても純愛派なのだ。笑わないように。それで、この「きいろいゾウ」はというと、ちょっと子どもっぽい。どっちもどっちではあるのだが。
この作品では、子どもっぽさに似合う小道具がいろいろ登場する。ツマの不思議な能力とか、ところどころ挿入される原色のアニメーションなどがそれだ。子どもが大人になる代わりに生来の不思議な力を失っていくという定石をかぶせているのかもしれない。この映画においては、出会って間もない夫婦が、本当の夫婦になっていく代わりに、当初の不思議な引力から、本物の絆で改めて結び直される、といった風だ。考えてみるとそれは健全なことかもしれない。離婚のケースも少なくない当今、こうした映画の感想を述べるのは、なかなか気を使うところがある。
それにしても宮崎あおいの表情はいつもながらよい。前半で、二人して軽トラックで海へハイキングにいく道中で見せる、スネた顔の百変化をみていると、不思議なことだが、笑いが込み上げてくる。これだけでも見る価値はあった。
それから、水道の蛇口を介した無言の言い争い。永遠に続くかという長さと間の取り方、宮崎の鬼気迫る顔が結構くる。こわい。そういう大小取り混ぜた危機を経て、夫婦は本物になっていくのだなあ。
一方、映像づくりには少し不満もある。例えば、柄本明演じる老人が、妻の入院を、知らせに来て、降ってきた雨に打たれて、ツマと二人で泣くシーン。雨はざあざあ降っているのに、二人の服も髪も乾いたまま。これはさすがにシラケました。おまけに、屋根の一箇所だけ変な水の流れをつくったりして、いい加減。手を抜いているとしか思えない。
きっと予算が少なかったのだろう。いろいろな企業とコラボレーションもしているようで、公式サイトに案内が載っている。映画を見たあと昼食に入った大戸屋も、特別メニューを出しているようだ。サイトの方には案内がなかったので、ちょっとしたサプライズ。セロリの漬物が普通の壺漬にランクダウンしていたのはやや残念。
作中で、「日常か・・」とツマが悟ったようにつぶやく場面がある。本物の夫婦にとって大切なもの、それは日常。食って寝てナニする日常。ということで、「食う日常」の写真など。

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